家督相続(家制度) その3

2014/12/26
家の設立・消滅
 
新たに家が設立される形態として「分家」、「廃絶家再興」、「一家創立」が、家が消滅する形態として「廃家」、「絶家」がある。
 
 
分家
 
分家とは、ある家に属する家族が、その意思に基づき、その家から分離して新たに家を設立することをいう。このとき、元々属していた家を「本家」と呼んだ。本家の統率の観点から、分家するためには戸主の同意が必要とされた。分家する際には分家者の妻および直系卑属およびその妻が分家と共に新たな家に入ることができる。ただし夫婦同籍の原則があるため、分家者の妻と、直系卑属が新たな家に入るときの妻は必ず共に移動することになる。
なお、地域によって本家のことを母屋、分家のことを新宅と呼称する場合がある。
 
 
廃絶家再興
 
廃絶家再興とは、廃家・絶家した家を、縁故者が戸主となり再興すること。廃絶家再興の主な要件は次の通りである。
 
●家族は戸主の同意を得て廃絶した本家、分家、同家その他親族の家を再興することができる(改正前民法743条)
●法定推定家督相続人や戸主の妻、女戸主の入夫は廃絶家がその本家である場合に限って再興することができる(改正前民法744条)
●新たに家を立てた者に関しては自由に廃家して、本家、分家、同家その他親族の家を再興することができる(改正前民法762条)
●家督相続によって戸主となった者は、廃絶家がその本家である場合に限って、裁判所の許可を得て現在の家を廃家した上で本家を再興することができる(改正前民法762条)
●離婚または離縁によって実家に復籍すべき者が実家の廃絶によって復籍することができない場合には再興することができる(改正前民法740条)
●廃絶家の再興は市町村長に届け出ることを要する(旧戸籍法164条)
●再興した者はその家の戸主となり廃絶家の氏を称するが、廃絶家前の債権・債務など各種の権利を引き継ぐ訳ではないため、単に家の名を残し、本家と分家といった家系を残す程度の効果しかなく、祭祀相続としての意味合いが強かったが、戦前(及び近年でも各家庭・地域によっては)「家系の祭祀」を継ぐことが名誉ある責務と考えていたため、この規定が定められていた。
 
 
一家創立
 
一家創立とは、家督相続や分家とは異なり、新たに戸主になる者の意思とは無関係に、法律の規定により当然に家が設立される場合をいう。
一家創立は次の場合に生じる。
 
●子供の父母が共に分からないとき(改正前民法733条3)
●非嫡出子が、戸主の同意が得られずに、父母の家に入ることができなかったとき(改正前民法735条2)
●婚姻・養子縁組をした者が離婚・養子離縁をした際に、復籍するはずの家が廃家や絶家により無くなっていたとき(改正前民法740条)
●戸主の同意を得ずに婚姻・養子縁組をした者が離婚・養子離縁した際に、復籍すべき家の戸主に復籍拒絶をされたとき(改正前民法741条・742条・750条)
●家族が離籍されたとき(改正前民法742条・749条・750条)
●家族が残っている状態で絶家し、入るべき家が無くなったとき(改正前民法764条)
●日本国籍を持たない者が、新たに国籍を取得したとき(旧国籍法5条5・24条・26条)
●無戸籍の父母の間の子が日本で生まれたとき(旧国籍法4条)
●戸主でないものが爵位を授けられたとき(明治38年 戸主ニ非ザル者爵位ヲ授ケラレタル場合ニ関スル法律)
●皇族が臣籍降下したとき(明治43年皇室令2号)
 
 
廃家
 
廃家とは、戸主が、婚姻や養子縁組などの理由により他の家に入るために、元の家を消滅させることをいう(改正前民法762条)。ただし、一家創立によって戸主になった者は自由に廃家できたが、家督相続により戸主になった者が廃家する場合は裁判所の許可を必要とした。
 
 
絶家
 
絶家とは、戸主が死亡したことなどにより家督相続が開始されたにもかかわらず、家督相続人となる者がいないために、家が消滅することをいう(改正前民法764条)。廃家が戸主の意志を元に行うのに対し、絶家は不可抗力により生じる。
 

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