認知症の遺言

2015/08/28

記事引用元(http://www.asahi.com/articles/ASH4K436VH4KULFA00G.html)

 東京23区内に住む80代の女性は2013年、遠い親戚にあたる中年の女性と養子縁組をした。縁組から約2週間後、「(財産は)養女にすべて相続させる」という遺言書がつくられた。
 
  女性には、親から相続した1億円相当の土地建物や預金がある。以前には、長年付き合いのある団体に「すべて寄付する」と周辺に繰り返し語っていた。女性に実子はおらず、いずれは養女が財産を相続することになる。
 
 女性は数十年ずっと一人暮らしだったが、08年ごろから「人と会ったことをすぐに忘れる」といった認知症の症状が出始めた。養子縁組した13年ごろには、部屋は足の踏み場もなくなるほどゴミが散乱していた。いま、遠戚の女性と養子縁組した当時の経緯はほとんど覚えていない。
 
 女性はヘルパーに介助されながら今も自宅で一人暮らしを続ける。外出はめったにせず、家で長時間、テレビを見て過ごす。
 
 東京都内に住む認知症の90代男性にも養女がいる。10年以上前、繁華街のカラオケスナックで知りあった当時60代の女性だ。
 
 妻に先立たれ、自宅で一人暮らしだった男性が、この女性と養子縁組したのは08年。男性はこのころ、すでに認知症の症状が出ていたとみられる。11年には、養女が本人に代わって財産を管理する成年後見人になった。男性の自宅を3千万円で売却し、その一部を男性の老人ホームの入居費にあてるなど、介護に必要なお金の手当てをしていた。
 
 一方で養女は後見人の義務として、男性の財産の状況を家庭裁判所に報告していた。しかし、報告に不審な点があるとして家裁は12年、養女を調査する監督人をつけた。
 
 監督人の調べによると、養女は男性の預金から多くのお金を自分の口座に移し、1年で約1500万円を使っていた。残りの預金もいずれ養女が相続する。

 

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