名古屋で相続税課税対象者が増加

2015/08/27
記事引用元(http://dot.asahi.com/wa/2015082100048.html?page=2)

 今年から「増税」となった相続税が、家を持つ人の懐を直撃している──。

 
 愛知県では、7月に発表された路線価が3年連続で上昇、それを牽引しているのは名古屋市だ。市内で多くの相続税申告の相談を手がける税理士法人レディングの木下勇人氏は、増税前後の変化についてこう話す。
 
「昨年までは市内に自宅を持っているだけで課税される例は少なかったが、今年は増税に加え地価上昇も影響してかなり増えています」
 
 木下氏によると、名古屋市内の一般的な住宅の敷地は100~130平方メートル(30~40坪)程度。昨年以前に課税されていた地域は、昭和区、瑞穂区、東区、千種区、名東区が多く、特に地下鉄東山線の池下から藤が丘、鶴舞線の御器所から八事、名城線の茶屋ケ坂から新瑞橋までのエリアが中心だった。
 
 ところが今年からは、緑区や天白区など郊外の住宅地でも課税されるケースが多くみられるという。
 
 高級住宅地で都心部にも近い池下や、今池、桜山(ともに地下鉄桜通線)などで最小面積が100平方メートル前後となっているが、少し離れた南側のエリアでも200平方メートル前後の駅が点在しており、広めの家を持っていると対象になってくるのがわかる。
 
「土地の区画整理が進み、住宅の新築ラッシュが続く大高駅や南大高駅(ともにJR東海道本線)周辺も要注意エリアです。県民性か、名古屋では家や収入は平均的でも長年コツコツ預金を続けて資産形成する人も多く、トータルすると相続税の対象になってしまうケースも」(木下氏)
 
 大阪市の税理士法人プラスの寺西雅行税理士は対策を考える際、まずは相続する子に住む意思があるか確認するのが重要とアドバイスする。
 
「親はきょうだいで家を取り合うことを心配するが、実際は押し付け合うことも多い。古くて駅から遠い家より現金が欲しいというのが子の本音です。親が元気で判断力もあるうちに自分で売却し、駅近のマンションや老人ホームへの住み替えを検討するケースも増えてきています」
 
 売却したお金を老後の生活資金に充てられるほか、駅近マンションは戸建てに比べて売却や賃貸がしやすく相続時の現金化も容易だ。また、居住中の家を売却することで、売却時にかかる所得税を軽減できる特例も受けられるという。
 
 スタイルアクトのコンサルタント、堂坂朋代氏もこうアドバイスする。
 
「特に団塊世代が多く住むような住宅地では、相続の時期も重なって宅地の放出が一斉に始まる可能性も。売ろうとしても買い手がつかないおそれがあるので早めの対策が必要です」
 
 相続税の納税には、10カ月という期限がある。「そのときに考えよう」では十分な話し合いができなかったり、売却が間に合わないことも。残り少ない夏休み、家族で話し合う機会を設けてはいかがだろうか。

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