一次相続と二次相続のトータル対策

2015/03/12
高齢の両親がいる方は、一次相続のあと二次相続が降りかかってくることが想定されますが、この2段階の相続をトータルでとらえ、「採りうる節税策」を比較検討している方は少ないようです。配偶者控除にしても、一次、二次では異なります。今回は、一次、二次相続で納税額を抑えた例を紹介しましょう。
 
代々農業を営む高橋家の相続
 
 高橋家は代々農家で、祖父から受け継いだ土地を守って農業を継続してきました。近年は、周囲の宅地化が進んで農地のまわりに住宅が建ち並ぶようになったことから、農業の規模縮小や相続税の節税対策を考えて、父親がアパート経営を始めました。
 
長男が同じ敷地に家を建てて住んでおり、会社勤めの合い間に農業も手伝ってきたので、嫁いだ長女は安心して母親の老後を託せると考えています。家と農業を継ぐ立場の長男としては、これからも代々の土地を維持していきたいため、また近い将来に起こるであろう母親の二次相続も十分考慮して納税したいと考え、当社へ相談に見えました。
 
 
自宅と農地は分けられない
 
 高橋家の農地は、自宅と農業を継承する長男が不動産の大部分を相続することに無理のない形であるため、最終的にはアパートも含めた不動産は長男が引継ぎ、長女は現金の一部を相続することで、家族間で合意しました。

 当社で不動産の現地調査をしたところ、自宅敷地の一角にあるアパートは、進入道路の奥に位置しているため、不整形地となります。また、農地は道路から2メートル近く低くなっており、造成費がかかると判断され、評価減となりました。
 
 
母親の二次相続を想定する
 
 一次相続では、配偶者の税額軽減の特例を利用すると、財産の半分、あるいは1億6000万円まで課税されません。これは非常に重要なポイントです。

 ところが、配偶者が相続した財産については、配偶者が亡くなったときに、相続財産として課税されます。配偶者の死亡とは、すなわち相続人が1人減ることなので、基礎控除があるといっても相続税の納税額は大きくなります。

 よって、そうした負担を避けるには、一次相続、二次相続における財産の分割の仕方とトータルの相続税額の比較検討が重要です。比較することで、納税額が少なくなる分け方を選択すればよいわけです。

 配偶者が高齢で、近いうちに二次相続が起こると想定できる場合は、配偶者が相続する比率を減らし、そのぶん子どもたちの比率を上げることで、一家で負担する相続税をトータルで減らすことが可能です。

 配偶者の税額軽減を利用すると納税は半分にできるのですが、高橋さんのケースは、二次相続時の分割の仕方による税負担を検証したところ、基礎控除が下がった場合の税負担が大きいことが判明しました。そこで、現在の市況を考慮して、母親は自宅と老後資金を相続し、それ以外の財産は長男、長女が相続し、特例が使える376万円を納税することで将来(二次相続)の負担を減らしました。なお、納税については、長男が自己資金を充てるようにしました。

 

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