鳥インフルエンザについて2

2014/04/16

今日も鳥インフルエンザについてですが
昨日の続きで、国立感染症研究所感染症情報センターのQ&Aから

ヒトの鳥インフルエンザウイルス感染の診断はどのようにして行いますか?
 
 
本疾患を疑い、診断する際にもっとも重要なことは、渡航歴と接触歴であり、発症10日前までに現在H5N1亜型の鳥インフルエンザが発生している地域へ旅行したかどうか、そして上述のような家きんとの濃厚な接触歴あるいは肺炎の患者を介護したり1~2メートル以内で対面接触があったどうかです。また、急速に症状が増悪するという点も重要な点であり、原因不明の重症肺炎や急速に死に至るような肺炎症状のある場合にも考慮する必要があると思われます。

 検査診断は、咽頭・鼻咽頭拭い液から、ウイルスを分離してその亜型を同定することですが、現状のH5N1亜型では、RT-PCRにてH5の遺伝子を確認することが標準です。国内ほとんどの地方衛生研究所にて検査可能ですが、確認検査は国立感染症研究所(ウイルス第三部)にて行います。ウイルス学的にはH5N1亜型の検出は咽頭、便、血清で証明されており、また肺での増殖効率が高いとされていますが、これまでのところ検体毎の感度に関するデータはなく、咽頭拭い液が標準とされています。WHOの検査に関するガイドラインでは、咽頭拭い液が現状では最適な検体としつつ、通常の季節性インフルエンザを診断するに当たっては鼻咽頭拭い液がよいので、これも採取し、もし可能であれば、気管吸引液あるいは肺胞洗浄液を採取すること、そして急性期と回復期のペア血清を検体として採取することを勧奨しています(参考 Collecting, preserving and shipping specimens for the diagnosis of avian influenza A(H5N1) virus infection. Guide for field operations. )。急性期以降であれば、上述のペア血清を用いて、中和抗体を測定することにより診断ができます。

 鳥インフルエンザウイルスは、ヒトのソ連型(A/H1N1)や香港型(A/H3N2)とは異なりますが、いずれもA型インフルエンザウイルスに属します。そのため、ヒトのA型インフルエンザウイルスの診断に使う迅速診断キットで、鳥インフルエンザウイルスへの感染を検出することが理論的には可能です。しかしヒトの通常のインフルエンザでも見られているように、検査検体の採取状況などにより検出感度が変化します。また逆に、A型インフルエンザウイルス感染と診断されただけでは、ヒトのA型インフルエンザなのか、鳥インフルエンザなのかの区別はつきません。さらに、2003年以降東南アジアで発生しているヒトの鳥インフルエンザ(H5N1)症例での迅速診断キット陽性率は高くありません。これは上述(Q2参照)のようにウイルスの増殖は主に肺胞で起こっているため、咽頭拭い液ではウイルス量が少ないからであろうと考えられています。

 

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