民法(相続法)改正(2018年7月6日成立)について⑤ ~遺留分(いりゅうぶん)制度が変わる!~

2019/02/26

大阪相続遺言相談センターです。
前回は、相続関連法改正について改正点のうち2点説明しました。(以前のスタッフ日記をご覧ください)今回は、3つ目の「遺留分の制度見直し」についてお伝えします。

2019年7月1日に施行される変更点です。

<改正された点③> 

この民法改正で変わることの3点目は

「③遺留分で金銭債権が発生することと、期限の許与制度ができたこと。相続人への贈与は10年前までもののみ遺留分の対象となることになったこと」です。

ところで、遺留分(いりゅうぶん)についてまずは説明しますね。

遺留分とは「亡くなった人」(被相続人)の兄弟姉妹以外の相続人に対して認められた相続財産の割合のこと(民法1028条)」を言います。

つまり、妻も子もいる被相続人が、自分の特に仲のいい友人(相続人ではない)(受遺者という)に全財産を譲るなどの遺言書を残した場合に、妻や子は法律上相続人なのに何ももらえないのはおかしいということで、遺言書があったとしても妻や子などの被相続人にとって血縁上特に身近な一定の相続人が受遺者へ請求を主張すれば、一定の財産を確保できる制度です。

この請求する行為のことを遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)と言います。

今回の改正ではこの制度について少し見直しがされました。新民法1042条から1049条に定められます。
法務省ホームページ(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00222.html)に公表されている文章を引用しますと、

いままでは下記のような問題点がありました。

・遺留分減殺請求権の行使によって共有状態が生ずることは事業承継の支障となっていました。

・遺留分減殺請求権の行使によって生ずる共有割合は、目的財産の評価額を基準に決まるため、通常は、分母・分子とも極めて大きな数字となることから、持分権の処分に支障が出る恐れがありました。

それが、つぎのように見直しされました。

・遺留分減殺請求権から生ずる権利を金銭債権化することになります。

・金銭を直ちには準備できな受遺者または受贈者の利益を図るため、受遺者等の請求いより、裁判所が金銭債務の全部または一部の支払いにつき相当の期限を許与することができるようになります。

センターではいままで様々な遺言の相談を受けておりますが、遺言書を作るときには遺留分を意識して、不動産や預貯金をだれにいくら取得させるような内容にするのかを、考えながらアドバイスをしております。

そうしないと、さきほど述べました問題点を抱えたままの遺言書ができあがってしまい、せっかく遺言書があるのに亡くなった人の思いを実現できない結果になるからです。

遺留分を主張されると、遺言書で取得できるはずの人が、不動産を活用することができないかもしれませんし、株や投資信託を動かすこともできません。

また遺言書を作る段階で相続税の支払いのことまで考えていなければ、不動産をもらっても、もらった人、つまり受遺者が相続税が支払えないかもしれないという結果もあるかもしれず、結局は紛争へ突入してしまうのです。

次回は、遺留分の見直しについて改正前と改正後でどう変わるのか、先ほど述べた例では専門用語だけでわかりにくいでしょうから、例をあげて説明しますね。センターのスタッフのホンネについても次回へ。。。お楽しみに。

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