税制改正によって不動産相続はどう変わったのか?

2015/08/30

ZUUオンラインにこんな記事が載っていました。
以下、引用。

昨年以降、タワーマンション高層階の販売強化やハウスメーカーの営業強化が活発化している。2015年の相続税改正を 受けての動きだろう。基礎控除の額が4割引き下げられたため、相続税を支払う対象者が増えた。この税制改正によって不動産相続はどう変わったのか。不動産 相続の最前線を見てみる。相続税の改正ポイントを今一度おさらいしてみよう。2014年までは相続税の基礎控除額は「5,000万円+法定相続 人の数×1,000万円」であった。つまり夫婦と子供2人の家庭では8,000万円以上の資産を有していないと相続税は発生しない。それに対して、 2015年からの相続税の基礎控除額は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」となった。つまり夫婦と子供2人の家庭では4,800万円以上の資 産を有していると相続税が発生してしまう。そのため、相続税対策を要する人達が増えることとなる。マンション販売会社やハウスメーカーが、こぞって相続税 対策として営業を強化しているのはこのためだ。一方、相続税改正で強化されなかった部分もある。それは贈与税に関する部分だ。国としても税収は増やしたいものの、財 産を若い世代に移転させ、消費を活性化したいという思惑があり、贈与税に関しては強化されなかった。逆に贈与税のひとつである相続時精算課税については年 齢制限等が緩和されている。65歳以上であった贈与者年齢が60歳まで引き下げられ、受贈者も直系卑属のうち20歳以上の「子」だったのが20歳以上の 「孫」も含まれるようになった。強化された相続税と緩和された贈与税、対局の2つの税はどのように利用されているのであろうか。相続時精算課税は2,500万円までの特別控除額がある。その特徴として「贈与時の相続 税評価額」であり、「相続時の時価」ではない点がある。そのため、相続税評価額が低くなる財産に適用した方が有利となる。つまり、現金のような金融資産で はなく、贈与時に価格が低くなる財産に適用した方が得なのだ。

 具体的には、タワーマンションがよい例だろう。タワーマンションの建物評価額、つまり建物の相続税評価額は、建物全 体の評価額の専有面積で決まる。そのため相続税評価額は35階の80平方メートルの部屋も、2階の80平方メートルの部屋も一緒だ。一方で、時価は35階 の80平方メートルの方が2階の80平方メートルよりも断然高い。つまり35階のような高層階マンションは、時価と評価額に乖離がある。たとえば35階の 80平方メートルの部屋が時価6,000万円でも、相続税評価額が2,500万円以下というのは有りうる。そのためこの場合で、タワーマンションを購入し て相続時精算課税を用いれば、時価6,000万円の財産を非課税で贈与することが可能となる。また、家賃収入がある不動産を、相続時精算課税を用いて贈与する場合にもメリットがあるのだ。一棟の土地建物で総額が 大きい場合は建物だけ贈与するという方法がある。借地権付き建物の贈与だ。そもそも建物評価額は時価よりも低いが、さらに収益物件は借家人が居るため、借 家権割合の30%が減額される。その建物を、相続時精算課税を用いて贈与すれば、仮に評価額が2,500万円を超えていても、超えた分だけに贈与税が課税 される。相続人には賃料収入が入るため将来の納税資金の貯蓄も可能だ。被相続人にも収入枠を残したいのであれば、地代を払うという手もある。このようにす れば、親と子に収入を振り分けることも可能なのだ。相続税が厳しくなった分、相続対策としては贈与に注目が集まりつつあり、それは国策にも合致している。今まで相続時精 算課税は使い勝手が悪かったため、あまり利用されてこなかった。しかし、相続税が厳しくなっても相続時精算課税の2,500万円の特別控除枠が廃止されず に残っているのは大きい。これからの不動産相続は、いかに「相続」させるかではなく、いかに「贈与」させるかがポイントになりそうだ。

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