迫りくる相続増税…サラリーマン家庭でも相続税は発生するのか?

2014/09/24
来年(平成27年)の相続税増税を控え、様々な媒体で、相続関連の記事を目にするようになりました。
 
 それもそのはずで、来年と言っても、相続税の増税まで、もう4か月を切っています。そのような中で、よく目にする記事の中でも「?」を感じる記事としては、一般のサラリーマン家庭でも、相続税の納税の必要性が生じる…等といった記事です。
 
 
<<サラリーマン家庭でも相続税は発生するか?>>
 
 では、実際問題、一般のサラリーマン家庭において、相続が発生すると、本当に相続税を納めなければならないのでしょうか?
 
 近年、一般的だと言われる家族構成(夫婦2人+2人)における1次相続においてシミュレーションをしてみましょう。
 
 上記の家族構成においては、来年以降は、基礎控除額が、4,800万円となります。
 
 日本の一般家庭における資産のうち、その大半は不動産(土地・建物)であることから、半額の2,400万円程度が自宅、その他2,400万円が金融商品であるとします。
 
 不動産の内、建物(家屋)は、固定資産税評価額が基準となる為、少し高めですが概ね500万円程度(木造戸建)とすると、土地は、残りの1,900万円となります。しかし、土地においては、小規模宅地の特例を利用できるようであれば、▲80%となることから、相続税評価額で元々9,500万円程度。
 
 さらには、以前、寄稿したように、時価(110)と相続税路線価(80)の相対的関係より、約1億3,000万円程度の土地を保有していた場合となります。
 
 つまり、ご自宅の土地が時価1億円を超えるような高級住宅地にお住まいでも、1次相続において、配偶者や自宅を所有していない子が相続することにより小規模宅地の摘要を受けられる場合、金融資産などのその他の試算の額にもよりますが、相続税を納税する必要がありません。
 
 但し、注意点として、あくまで、納税する相続税は0円ですが、そのためには、申告を必要とします。また、遺産分割における遺産分割協議が完了しているなど、いわゆる円満相続である必要があります。
 
 
<<「2,000万円迄の非課税制度」は節税には不向き>>
 
 また、相続税法上は、1次相続においては、配偶者が相続する相続財産の課税価格(各種特例を適用しない状態での相続財産の課税価格)の合計が1億6,000万円迄であれば、相続税を納める必要はありません。最近では、「増税」に煽られ、我々が行う相続相談会にも、様々な方がお越しになります。
 
 中には、「相続税の節税のために…」という理由で、婚姻20年以上の夫婦間において、居住用不動産の取得のためであれば2,000万円迄(暦年贈与と合算して合計2,110万円)の贈与が非課税となる制度を利用したい…という方が多くいらっしゃいます。
 
 配偶者への感謝の気持ち等であれば、非常に素敵な配慮ですが、いざ、節税という観点では、実はあまり効果的ではありません。
 
 まずは、贈与をした後には、登記しなければならず、登録免許税が課され、取得事由が相続ではなく、贈与のであるため、税率が高く、更には不動産取得税も課されます。税法上は贈与税が非課税となり、贈与分は、相続財産から控除されますが、民法上は、当該贈与分は特別受益に該当するため、遺産分割協議や遺留分等の際は対象となります。
 
 
<<本当に考えるべきは二次相続>>
 
 上記のように、一般的なサラリーマン家庭においては、一次相続においては、さほど、増税等の影響は出ません。本当に考えるべきなのは二次相続。両親が亡くなった時の場合です。
 
 相続の問題(対策)は、簡単ではありません。それぞれが年を経過するとともに、それぞれの環境や考え方も変わります。故に、日々、家族がコミュニケーションをとりながら、最善と思われる相続対策を講じることが大切であり、その優先準備は、円満相続(遺産分割対策)、納税対策、節税対策の順です。
 
 そして、相続は、民法をはじめ、税法など、様々な見地から検討する必要がある為、必ず専門家を交えて協議する必要があります。(執筆者:佐藤 雄樹)

記事引用元(http://manetatsu.com/2014/09/35811/)

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