相続の骨肉の争い防ぐには 生前からの準備が大事

2014/08/25
 税制改正で、来年一月から相続税が課せられる対象者が増えることもあり、相続に対する関心が高まっている。ただ、遺産がそれほど多くないケースでも、親族間の相続争いは深刻になりがちだ。争いを防ぐにはどうしたらいいのか。専門家の意見も踏まえ、相続のあり方をシリーズで考えていく。 (白井康彦)
 
 中部地方に住む五十代の女性は、故郷に住む五十代の兄と遺産相続をめぐり、泥沼の争いを一年以上も続けた。双方が弁護士に依頼して交渉し、兄妹の仲は決定的に悪化。女性は「もうどうしようもない状態です」と打ち明ける。
 数年前から両親が相次いで死亡。他にきょうだいはおらず、二人の間で遺産の配分が問題に。兄は「自分は跡取り」「介護で面倒をみていた」「両親の考えも自分と同じ」などの理由で、すべての遺産を得ようとした。女性は「それはひどい」と徹底抗戦。結局、両親の金融資産の四分の一を得ることができた。
 
 このケースでは相続税はかからなかった。女性は「兄とは事前に相続の話し合いはしていませんでした」と振り返る。
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 相続はお金にまつわる話だけに、親族間では話題にしにくい。「うちは相続税がかかるほど財産はないので、心配はいらない」という人も多い。しかし、財産がさほど多くなくても、遺族間で深刻な争いになるケースは少なくない。
 家庭裁判所の遺産分割の調停の統計を見ると、二〇一三年は遺産額五千万円以下(現制度では基本的に相続税はかからない)の件数が全体の約四分の三を占めている。しかも年々増えている=グラフ。
 
 骨肉の争いをどう防いだらいいのか。相続に詳しい法律家や税理士、ファイナンシャルプランナーらは、「事前の準備が大事」と口をそろえる。
 
 相続に詳しいFPで杉浦経営会計事務所(愛知県稲沢市)相続相談室長の橋本玄也(げんや)さんは、具体的な準備として、(1)万一に備えて財産を残す人の財産目録をつくる(2)親子や相続人の間で、相手がどのように考えているのか尋ねてみる(3)相続税対策は専門家の意見を聞きながら、相続人全員にオープンな形で検討する(4)子どもがいない場合は、必ず法的に有効な遺言書を作る-などを挙げている。
 
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<相続の基本と税制改正> 誰が相続人か、相続人の中での順位、相続人それぞれの遺産割合-などは民法で決められている(法定相続)。だが、法的に有効な遺言があれば、遺言の内容が優先する。遺言がない場合は、法定相続人全員による遺産分割協議で配分を決める。法定相続分に合わせる必要はない。
 
 また、相続税がかかるかどうかの境目となる基礎控除額が、改正後は現行の6割の水準に引き下げられる。亡くなった人(被相続人)のうち、相続税を納める割合はこれまでの約4%が6%程度になると予想されている。

引用元(http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2014082102000183.html)

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