相続税拡大について

2014/07/06

東京新聞にこんな記事が載っていました。
以下引用>

三木義一教授「今度は4%から6%に増えそうだな~」

 須藤恵里記者「センセ~。消費税は5%から8%になったんですよ。大丈夫ですか?」

 教授「バカモン。相続税の話だよ。相続税は相続財産が一定額以上の場合しか発生しないが、税制改正で、より少ない財産で課税されるようになる。今 は『亡くなった人100人に4人』の割合。来年1月から『100人に6人』に増えそうだ。特に先週発表された路線価は東京都は6年ぶりに上昇しているか ら、都内では『5人に1人』に倍増する試算がある」

 記者「節税に悩む家が増えそう。そういえば以前、庭にあるお稲荷(いなり)さんの祠(ほこら)の敷地は非課税とする判決が出たとか。もともと非課税のお墓と同じ扱いになるって」

 教授「でも、庭にお稲荷さんを建てて節税しよう、なんて悪いこと考えちゃだめだよ。目的を税務署に追及されるからね」

記者「1月から相続税はどう変わるんですか?」

 三木教授「まず、相続税がかかる財産の最低ラインが下がるんだ。例えば、夫が死亡、妻と子ども2人が相続する場合、いまは相続財産総額が8000万円超の場合しか課税されなかったけど、4800万円を超えたら相続税がかかる」

 記者「少ない資産でも課税されちゃうんだ」

 教授「最高税率もいまは相続財産3億円超の場合の50%だ。改正後は6億円超なら55%が適用される」

 記者「カナダや豪州は相続税を廃止したそうです。日本でも一部で廃止すべきとの意見が出ていますね。税収に占める割合も約3%と小さいとか」

 教授「しかし、相続税は大切な税だよ。世の中には、お金持ちとそうじゃない人がいるでしょ。本人が努力して得た所得ばかりでなく、親から相続した 財産で富は引き継がれる。お金持ちの子どもは生まれた時からお金持ちで、良い教育も受けられる。もし相続税がなかったら、貧富の格差は拡大し、貧しい家の子は才能を広げる機会も閉ざされ社会は停滞してしまう」

 記者「相続税は格差縮小の機能があるわけですね。それを強化する政府は格差是正に取り組み始めた?」

 教授「本音は税収狙いだろうね。いまの基準はバブル期のままなんだ。当時は地価が急上昇、相続税対象件数が『死亡者100人に8人』の割合まで増えて政府に苦情が寄せられたために、基準額を引き上げたんだ」

 記者「相続税がかかる件数を限定しようとした、と」

 教授「ところがすぐにバブル崩壊で土地価格が下落し続けたため、相続税を払う人はどんどん減少した。政府は富裕層に配慮してずっと動かなかったんだけど、税収が落ち込みすぎたため、やっと重い腰を上げ来年から基準を下げるわけだ」

 記者「これでゆがみは解消する?」

 教授「それは疑わしいね。富裕層からの反発をかわすために、政府は優遇措置も講じてるんだ。例えば、孫に教育資金として生前贈与した場合に、 1500万円まで贈与税がかからない時限措置だ。これで恩恵を受けるのは多額の教育費をもらえる富裕層の子どもたちだけ。法の穴を利用して、海外に資産を 移してしまう金持ちもいる。税負担が増えるのは結局『プチ裕福』な人たちかな」

 記者「『お金持ちの子はお金持ち』が続くのですね。政府はなぜきちんとした改正をしないんですか?」

 教授「だって、ルールを決める国会議員の大半が2世や3世。彼らが一番困るのが地盤(組織)と、カバン(資産)を代々、相続できなくなることでしょ」

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